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CRISPER/Cas9特許紛争について

3月 9, 2022

CRISPER/Cas9特許紛争について

本日のお昼に、CRISPER/Cas9特許紛争についてクラブハウス(アメリカ知財と法務 on Clubhouse)でスピーカーとしてお話しさせていただきました。

*私がお話しさせていただいたクラブハウスの部屋はこちらです:
アメリカ知財と法務 on Clubhouse

*今後も不定期にお話しさせていただくことがあるかと思うので、詳細は私の事務所HP及び主催者である米国弁護士の野口さんのTwitterからチェックしてください:

エトワール国際知的財産事務所
野口さんのTwitter

CRISPER/Cas9はゲノム編集技術の一つで、この画期的な技術は、現在バイオ関係のあらゆる分野において活用されています。

一方、CRISPER/Cas9に関する特許については、ノーベル賞を受賞した研究者の方が属するカリフォルニア大学と、哺乳類の細胞への応用に最初に成功したとされるブロード研究所(米ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の共同運営している研究所)の間で熾烈な争いが行われており、また他の組織とも関連技術について特許紛争が継続中であり、今回はカリフォルニア大学とブロード研究所間で争われていた米国特許紛争の一つの結論が出たとのこと、その紹介をメインにお話をさせていただきました(今回米国特許紛争ではブロード研究所に軍配が上がりました)。

上述したようにCRISPER/Cas9技術は医療用途や農業分野など、幅広く使用されており、このような特許紛争が行われることで問題となるのは、商用利用をしたい企業にとって、果たしてどの組織から特許のライセンスを受ければ良いのか、また特許紛争が継続中の間は権利も不安定な状態となっているので、その経過を見守る必要があり、結局は産業の発展が妨げられてしまう恐れがあります。パテントプールの試みもされているようですが、従来特に医療分野においては他の分野と異なり、少ない特許でコアの技術をがっつり守るという形が取られてきており、今回この画期的な技術ついて、特許の視点から今後どのような解決策がとられるのか、その帰趨を見守りたいと思います。

参考記事:

UC Berkeley loses CRISPR patent case – The Verge

CRISPR/Cas9基本特許を巡る争い(カリフォルニア大学 vs ブロード研究所)が米国特許商標庁で決着 | バイオステーション

3)ゲノム編集技術 CRISPR/Cas9-特許及びライセンスの側面から-

CRISPR/Cas9技術については、ノーベル賞を受賞されたジェニファー・ダウドナ博士のこの本が比較的わかりやすく、また面白く読めるのではないかと思います。

※今回の写真は4年半ほど前のカフエの写真です。今まで記事で上げている写真のほとんどは過去のものです。少しずつ再びカフエなどにも足を運べるようになりました。今年こそ、コロナ最後の年となることを祈るばかりです。