代替乳製品商品の表示方法に関する議論
代替乳製品商品の表示方法に関するイギリスでの興味深い議論の記事があったので、今回はそちらを紹介したいと思います。
イギリスでは、1987年からのEU法により、植物由来の代替乳製品ブランドは現在、”乳製品のような(dairy-like)”という用語を使用することを禁止されているとのことです。しかしながらイギリスはBrexitによりEUを離脱しており、また、アメリカのFDA が、植物由来の代替乳製品のパッケージに”ミルク(milk)”という言葉を使用できることを承認するガイダンスのドラフトを発表した影響もあり、イギリスも現在アメリカに追従するよう議論がされているようです。
残念ながら、イギリスの食品基準情報フォーカス グループ (FSIFG) は現在、逆のこと、すなわち表示法を強化するようロビー活動を行っているとのことです。 提案された制限では、”牛乳の代替品(alternative to milk)”などのフレーズや、”mylk”や”cheeze”などの用語が禁止されるとのことです。これについては多くの人が反対をしているようです。FSIFG の主張は、”乳製品のような(dairy-like)”といった用語の”誤解を招く”使用によって、消費者が混乱する可能性があるということのようです。
一方、植物ベースの食品メーカーであるアップフィールドが委託した新しい研究は、これが事実である可能性が低いことを示したとのことです。この調査では、大多数の消費者が乳製品と植物ベースの製品の違いを十分に認識していることが明らかとなりました。例えば、消費者の91% が”Flora Plant B+tter Salted“が乳製品を含まないことを正しく特定することができました。
アップフィールドのヨーロッパ地域代表であるDominic Brisby氏は、次のように述べています。 「消費者が混乱することはまったく問題ありません。 消費者は、スーパーマーケットの棚からどの商品を選んでいるかを正確に知っています。」
イギリスのPlant-Based Food AllianceとAlternative Proteins Association(APA)は現在、イギリス政府に書簡を送り、44の組織が共同署名した書簡で提案された制限について懸念を表明しているとのことです。 「今年初めのAPAの調査によると、イギリスの消費者の96%が植物由来の代替肉に精通しており、消費者の大多数が植物由来の乳製品や肉の名称に混乱をしていないことがいくつかの研究で示されています。 」と、APA代表のJeremy Coller氏は述べています。
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