チリの代替食品製造企業であるNotCoのNotMilkについての商品表示についての判決について
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なお、前半部分は、以前記事化した下記内容について説明をしています。
今回、vegconomistの記事によると、チリの植物由来の代替食品を製造する企業である、NotCoは、この度自国において、NotMilk商標の使用を禁止する裁判所の判決に対して控訴を行った後、明るいニュースを受け取ったとのことです。すなわち、バルディビア控訴裁判所は第一審の判決を取り消し、植物由来の製品にミルクという名前を使用したとしてNotCoを不当競争で告発したロス・リオス地域牛乳生産者協会が起こした訴訟を棄却しました。
NotCoに対する訴訟は2020年に始まり、昨年5月に裁判所は乳業組合に有利な判決を下し、乳業業界に関連するあらゆるブランド化やイメージの停止を命じていたとのことです。
しかし、NotCo社はこれに反撃し、控訴審で国内有数の市場調査・世論調査会社であるCademの調査結果を提出し、ブランディングやパッケージに「牛乳」という言葉が表示されているにもかかわらず、消費者の99%がNotMilkは牛乳ではないことを理解していることを示した。 」と主張しました。
今回控訴裁判所は、当事者から提供された情報によれば、NotCoの広告キャンペーンでは、たとえいくつかの類似点があるとしても、その製品は牛乳ではないと明確に述べられていると述べました。 法廷は法的準備書面で、牛乳の消費者はおそらく天然物を好み、ノットミルクのような野菜と人工知能から作られた飲料を選ばない可能性があるとも付け加えました。
最近、「牛乳」、「ハム」、「マグロ」などの伝統的な動物製品の用語を使用した植物由来製品のラベル表示をめぐる現在進行中の論争に重大な進展が見られました。
まず、オートリー社は最近、「ミルク」という言葉を使用したとして英国デイリー社との4年間にわたる法廷闘争に勝利しました。 その後、植物由来の製品に「ビーガンバーガー」や「ビーガンステーキ」などの肉類の名前を表示することを許可し、「野菜戦争」に終止符を打つというベルギー政府の決定のニュースもありました。
つい最近では、5 年間にわたる法廷闘争の末、フランス最高裁判所は、食肉ロビー団体 Interbev (協会) によって告発されていた Nutrition & Santé Group (Gerblé、Céréal、ValpiBio、Valpiform のオーナー) に有利な判決を下しました。
不当な競争と誤解を招く植物由来の肉のラベルについて、裁判所は、「ステーキ」と「野菜ステーキ」の間に混同の危険性は確立されていないと認めました。 裁判所の見解では、パッケージや広告がその製品が植物由来であることを「明確に」示していれば、消費者は異なるカテゴリーを区別できるとフランスのメディアが報じています。
今回のNotCoに関するチリでの判決と、昨年3月のイギリスでの議論から、個人的には、流れとしては代替タンパク質、プラントベース系フードテック企業への追い風になっていると感じます。あくまで大切なことは消費者目線であり、消費者自身が混同を生じていない以上、問題も生じていないというのが、やや大雑把ではありますが、司法の判断となっているようです。
参考記事:
Setback for French Government as Court Supports Plant-Based Meat and Rejects Label Confusion