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弁理士と一般法の勉強

2月 8, 2022

弁理士と一般法の勉強

弁理士になるためには、特許法、実用新案法、意匠法、商標法に加えて、短答試験(択一試験)においてはさらに条約、著作権法、不正競争防止法を勉強し、これらに関する試験に受かる必要があります(さらには選択科目というのもあり、理工系科目または民法から一科目選択して受験する必要がありますが、これは修士号取得などで免除規定があります)。

いわゆる明細書作成など、弁理士のコア的な仕事を専門にする場合は、これら上記の法律科目が頭に入っていればほぼ問題はないのですが(さらに弁理士は一般的に専門性が細分化されるため、特許専門ならほとんど特許法、あとは関連条約しか使わないということになります)、企業知財部などで知財関連契約を扱ったり、訴訟案件に関わる場合には、民法、民事訴訟法などの一般法の知識があった方が実務上もかなりスムーズに仕事ができることとなります。

私自身は特定侵害訴訟代理試験を受け、弁護士と共同で特定侵害訴訟の代理人になれる資格を持っているので、その際に民法と民事訴訟法でこれら特定侵害訴訟に関する部分は勉強したのですが、法律事務所にいたこともあってか、あとは会社法なども個人的に少し勉強をしたりして、実際実務で必要とされる知識を都度補うようにしていました。

ところで1年ほど前、このような本が出ていることを業界の方に教えていただき、なかなか参考になりました。いわゆる弁護士の方が学ぶような法律を、法学を学んだことのない人でもわかりやすいレベルで、バランスよく各法律の概要を説明している内容で、どうしても法律というのは小難しい、分かりにくいというイメージがありますが、こう言った本があると、一般の人でも日々の生活でちょっと困った法律問題がある場合に、全くわからない状態から、少しでも何が問題なのかをイメージするきっかけとなり、とても良いのではと思いました。